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Grand Funk Railroad ←
Caught In The Act
2016-02-10 04:17:20

1975年

  グランド・ファンク・レイルロードはアメリカンロックの代表的なバンドです。イギリスのクリームやレッド・ツェッペリンに対するアメリカの答えといいましょうか。アメリカらしいマッチョな男臭い暑苦しい見た目に、それにふさわしい演奏が特徴です。

 

  そしてこれは彼らの全盛期のライブアルバムです。暑苦しさワイルドさは他のバンドの追従を許しません。特別上手い演奏とは言えませんが、ロック魂はピカイチでしょう。

   曲目はデビューからのヒット曲のオンパレードです。ベストアルバムとの違いは録音状態が全曲同じであることです。グランド・ファンクに限らずベスト盤は曲同士の音質や楽器の差異などで散漫な印象があります。ライブは基本的には同じステージでなければツアーで録音されたものなので曲間の違和感がありません。熱気があるのはもちろん、全体を通し同じバイブで楽しめるのがライブ盤の醍醐味なのです。

 

Closer To Home
2016-03-03 20:42:02

1970年

 

  ハードロックの黎明期、まだディープ・パープルがイギリスでアートなロックをやってた頃、グランド・ファンク・レイルロードはアメリカンハードロックの礎を着々と築いていました。当時3ピースだったのでクリームのアメリカ版のような扱いではありますが、個性は全く異なります。演奏能力に特別なものはないのですが、曲の転換やアレンジの工夫は文句無しです。また、マーク・ファーナーの甲高い声とドン・ブリューワーの荒くれた声のコーラスは雑ですが、そこが男のロックとしていいのです。

  さらに、メル・サッチャーのロックの中のロックらしいうねるベースラインも聴きどころです。クリームのジャック・ブルースのような即興的な自由ベースとも、BBAのティム・ボガートのオカズたくさんブリブリベースとも違い、よりオーソドックスで固い演奏スタイルです。音質的にも角を落とし、低音を強調したモコモコした音です。

 

  1曲目の「グッド・マンズ・ブラザー」はわびさびの効いたハードロックです。マークの伸びやかで切実感のあるシャウトが遺憾なく発揮されています。音が右へ左へ飛ぶのが印象的です。

 

  「ナッシング・イズ・ザ・セイム」はメリハリの効いた展開が面白い作品です。怪しいイントロで始まるも、伸びやかな歌が入るころには、些か明るくなります。ベースラインに着目すると曲の形作りをしているのがベースであることがよくわかります。

 

  最後の「アイム・ユア・キャプテン」はこのアルバムのタイトル曲です。男のゴリ押しロックが彼らの持ち味なはずが、これは見事にそれを超越した名曲です。叙情的な展開をストリングスで効果的に盛り上げて壮大な雰囲気を醸し出しています。

E. Pluribus Funk
2016-03-03 21:21:53

1971年

   グランド・ファンク・レイルロードは1969年にアルバム「オン・タイム」を発表して以来、止めどなく作品を発表し続け、たった2年でスタジオ盤5枚とライブ盤を出し、2枚組のベスト盤を出しました。その躍進ぶりには目を見張るものがあります。彼らには創作力の逞しさがあります。

  このアルバムは5枚目で、邦題は「戦争をやめよう」です。当時、ベトナム戦争は泥沼化していました。原題の「エ・プルリブス・ファンク」はアメリカの国家の標語「エ・プルリブス・ウヌム(多数が集まって一つになる)」のパロディーです。そういったタイトルどおりこのアルバムは他のアルバムよりメッセージ性が強いものとなっています。

 

    1曲目は「フットストッピング・ミュージック」は初期にしては明るく軽快で楽しい曲です。以降コンサートの導入に使われるようになりました。

 

  「戦争をやめよう」は日本人にとってはタイトル曲です。ワウペダルを駆使したファンキーなギターが格好いいです。押しが強く、迫るようなサビの「戦争をやめよう」の連呼が心に焼きつきます。タイトルどおりの反戦歌です。

 

    次曲「アップセッター」はこれまでにないほどグランド・ファンク・レイルロードにしてはファンキーな曲ですが、やはりマーク・ファーナーのギターのキレはあまりなく、ガチャガチャと男の荒くれ弾きです。メル・サッチャーのベースもよく動きます。

 

   「アイ・カム・タンブリン」は反人種差別の歌です。聴きどころは何と言ってもベースです。ダイナミックで、即興的かつ正統派的なロックベースが、次から次へと展開していきます。

 

   「セイヴ・ザ・ランド」はシングル「戦争をやめよう」の裏面曲です。タイトルどおり憂国の歌です。

 

  「ノー・ライズ」も「セイヴ・ザ・ランド」に引き続くようなメッセージソングです。力強いアレンジで「愛と調和」を訴えています。マークのよく伸びる高い声が印象的です。

 

   人類滅亡を懸念する「ロンリネス」は環境保護、生態学、要するにエコロジーの歌です。アルバム「クローサー・トゥ・ホーム」の「アイム・ユア・キャプテン」以上にドラマチックな展開で、叙情的です。

We're An American Band
2016-03-03 23:44:04

1973年

   バンド名をグランド・ファンクに改名、前プロデューサーと決別、サポートキーボーディスト加入という大転換を果たして自分達で作ったアルバム「不死鳥」はイマイチの作品になってしまいました。そこでグランド・ファンクはさらなる方向転換を迎えたわけです。彼らはビートルズフォロアーとして有名なトッド・ラングレンにプロデュースしてもらいました。前アルバムでサポートだったキーボーディストのクレイグ・フロストも正式加入しました。結果、この「アメリカン・バンド」は大ヒットしたわけです。

 

   グランド・ファンク・レイルロード時代は渋くヘビーな傾向にあった彼らは、クレイグを迎えてからはよりキャッチーで明るい音使いになりました。その最たる楽曲がタイトル曲「アメリカン・バンド」です。ドラマーのドン・ブリューワー作詞作曲でクレジットされ、自らスティックを振るいながら野生的で暑苦しいボーカルを披露しています。しかも、大ヒットして、色々なミュージシャンにカバーされています。ドラマー作の稀有な曲であります。

 

   「ブラック・リコリス」の日本語直訳は黒甘草。まるで漢方薬みたいなタイトルですが、欧米では子供に人気の当たり前のグミ状キャンデーです。リコリッシュキャンデーと言いますね。ラクリッツとも。どぎつい味で日本人は苦手です。フィンランドにあるサルミアッキというものはそれにさらにアンモニア臭がして大変です。そんな話はさておき、このアルバムは基本的にはタイトル曲のお陰で大ヒットしたと言えますが、「ブラック・リコリス」は聞き応え満点です。スピード感があり、タイトルどおりパンチの効いたジャンプナンバーです。特にオルガンソロがキマっていますね。

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